ゲーム開発に漂う閉塞感とGGJ
あけましておめでとうございます。
「Nintendo Switch」の発表で盛り上がっているところに、水を差すようなタイトルで申しわけありませんが、来週開催される「電子デバイスGlobal Game Jam」について、ちょっとご紹介を。
I/Oは、1月20日~22日に、IGDAが主催する「GGJ」(Global Game Jam)の会場として、一風変わった「電子デバイスGGJ」を開催することになりました。
どのようなイベントなのか、その詳細は以下のブログ記事を見てもらうとして、ここではもう少し別の観点から、どうしてこのようなGGJを開催しようと思ったのか、その経緯と思いを綴っていこうと思います。
そもそもの経緯
そもそもこの話が持ち込まれたのは、去年の秋頃だと思います。
IGDA日本の中林さんから「I/OでGGJやりませんか?」というお誘いがありました。
ご存じの通り、昨年10月に月刊I/Oは40周年を迎え、なにか新しいことに挑戦できないかと思っていた矢先であり、また、I/Oでは過去にも「GGJ」を取材していたため、その熱量を肌で感じていたので、この提案がなされたとき、ぜひにとも思ったのですが、一方で、躊躇している自分がいました。
ここからは、私個人の話になってしまうのですが、実は私自身、ほとんどテレビゲームをしたことがありません。
と言うのも、私の子ども時代はドラクエⅠ~Ⅲが登場した、まさにファミコン世代なのですが、うちの親が“テレビゲームを一切禁止、テレビも一時間まで”という、絵に描いたような厳格な家だったものですから、当然ゲームをやることなく(友達の家で少し遊ばせてもらう程度)大人になってしまったもので、テレビゲームのやり方がよく分からないのです。
つまり、マリオは一面で死んでしまというタイプということです。
そんな私がゲーム作りに関われるのか、そもそもゲーム作りに魅力を感じることができるのか、その部分で一歩を踏み出せずにいたのです。
ゲーム開発と電子工作
そんな私を見かねてか、中林さんが更なる提案をしてきました。
「せっかくI/Oなんだから、電子工作と組み合わせたゲームジャム、やってみませんか?」
このとき、私の中でなにかがつながりました。
実は個人的に、画面の中でしか動かないゲームに“停滞感”を感じていて、「現実世界」と「ゲームの世界」をキチンとつなげるものが必要なのでは、と思っていたからです。
「VR」も技術としては面白いのですが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は結局画面の枠から出ていないので、HMDだけでは限界がある、と思っていました。
そこで、ゲームと「電子工作」(あるいは電子デバイス)を組み合わせることで、このゲーム開発に漂っている「閉塞感」を打破することができるのではないかと感じたのです。
その提案がなされたとき、私は二つ返事で「やりましょう」と答えていました。
異例だからできること
今回、GGJで「電子工作」と組み合わせてゲームを作るのは、世界中のGGJを見渡しても「異例中の異例」だと思います。
しかし、だからこそ「他が考えつかないようなゲーム」が作れるかもしれません。そしてそれが、“世界初のゲーム”になる可能性だってあるのです。
そんなゲームがこの「電子デバイスGGJ」から生まれるかもしれないと思うと、今からワクワクして眠れません。
実際、昨年の東京ゲームショウで高い評価を得たのは、「Line Wobbler」という「LED」と「コントローラ」を組み合わせたものだと聞いています。
Line Wobbler: 1D Game with custom spring joystick control - Gameplay
ぜひ、今回のGGJを足掛かりに、日本のゲーム業界、延いては世界をあっと驚かせるようなゲームを、一緒に作り出そうではありませんか。
お申し込みはこちらから*1。
*1:2箇所の申し込みが必要です